専門性の追求の重要性To be a specialist
- 日本で就職活動をする際に一般的に「30歳までがいい」「30歳を越えると転職は厳しい」などの話をよく聞きます。ここでは企業側から見た「雇用する」ことについてと中途採用においてなぜ30歳以上が厳しいと言われているのか、その為に何が必要なのかを説明します。
企業が雇用するという観点
まず企業に就職する=企業が雇用するということについて、企業は「給与という投資をする」という観点で考えてみて下さい。企業が投資を行う以上リターンを求めます。それは会社の利益です。(売上以外にも業界シェアや会社の評判等の企業価値なども考えられます。)会社が給与を支払うのは「雇用者の生活の安定」の為ではなく、「雇用者のスキル・経験」であり、その給与という投資からどれだけ会社利益というリターンを得られるかが経営上の本質です。
海外ではそれは顕著です。経験のない人材をいきなり正社員で雇うというのは本当に稀で、経験以外の余程の何かポテンシャルが無い限り考えられません。また新しい人材に対してゼロから教育していくような時間的・金銭的コストを避けたがる傾向もあります。
それは中途採用・新卒採用(海外では新規学卒者採用という概念はあまりありません)共に同じ事が言えます。新人もこれまで大学等で何を専攻してきて会社で何ができるかをシビアにみられ、さらにいきなり雇うことはなくインターンシップ(無給)からの受け入れをして適正をみたりしています。
就職における年齢の壁
日本では新卒採用は別として、中途採用の場合、一般的に30歳を越えてくるとキャリアチェンジが難しいと言われています。それはこれまでの経験と専門性が問われてくるからではないでしょうか。これらの状況を加味して、やはり何かしらの専門性が必要であると考えます。専門性は特にオフィスワークに限ったことではなく、業界に精通するものや職人なものでも結構かと思います。ある国ではオフィスワークの経験よりも、寿司職人としての経験の方が就労ビザがおりやすいという事もあります。またこれからの時代、インターネットによるボーダレス化でフリーランスのような形で世界を相手に仕事をする事も多くなっています。IT業界では既に多くのフリーランサーが、一つの会社からではなく複数の会社から仕事を受注しビジネスを行っています。今後ITに限らず多くの職種でもこういったことが起きるかもしれません。(例えば小中学校でSkype等でネイティブとの遠隔英語授業(教師は日本にいない=日本滞在コストを削減)など)
これからの時代に必要なもの
専門性を持つ事で確かにそれ以外の領域については経験値が低くなってしまいますが、全てを同時に底上げする事は非常に困難であるかと思います。であれば何か「自分にはこれがある」というものを身に着け、武器にして生き抜いて行くことが一つの方法です。例えばITのプログラミングの経験が豊富で英語が出来れば、どの国でもやっていけます。また寿司職人であっても日本食がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界的にも健康食である日本食分野において国外で活躍することもできます。どの職種においても「誰もができること+α」が必要になり、それを磨くことが重要です。また1年やそこらで身に付くものではないので、じっくりと身に着ける必要があります。
※ここでの専門性の追求についてはあくまで昨今の時代を生き抜くための一つの方法論でしかありません。
時代は変化しますし、これしかないという事はないかと思いますので予め留意してください。