時代の流れと雇用環境 2014年Employment situation
企業の人件費とコスト管理体制
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日本で派遣やアウトソースが大きく活用されているのは「コスト管理」の面が大きいといっても過言ではないでしょう。つまり端的に言えば経営状況や収益状況が悪ければ人件費を削減するということです。
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こういった背景から、派遣という雇用形態だけが専門性を求められるのでしょうか?新入社員として正社員で入社した会社でしか汎用的な仕事の経験は積めないのでしょうか?そもそも正社員であれば将来安泰なのでしょうか?否、時代は変わっています。
法改正がもたらす変化
2014年3月11日に派遣法改正案が閣議決定され、国会にて審議中であるものの、このままいけば施行予定は2015年10月になります。これがもたらす意味・インパクトは全ての労働者に関わってくると思います。派遣社員と正社員それぞれの状況変化について考えてみましょう。派遣社員の場合
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さらに業務範囲の撤廃により、これまで特定のコア仕事しかできなかったポジションが、コア業務以外の業務もできるようになる為、実質他の社員と同様に広範囲に仕事ができるようになります。大多数の企業ではアドミ業務と呼ばれるいわゆる諸雑務を派遣法上の専門性の観点から社員が行っていましたが、これからは全て派遣社員の方に任せるということが考えられます。
派遣ポジションにおける専門性を活かした仕事についてはもちろん残ると思いますが、これからはアドミ業務をしっかり任せられる人材を探す傾向が強まると予想します。
つまり派遣ポジションはより汎用的になり、未経験者でもチャレンジしやすい環境になるかもしれません。また英語を必要とする会社も増えてきている為、英文事務等の入口としてハードルがさがる可能性はあると考えられます。
正社員の場合
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理由はアシスタント業務やアドミ業務を派遣ポジションへ移した場合、単純にそれまでやっていた仕事がなくなります。仕事がなくなれば、人件費としてコスト削減する為リストラも発生するかもしれません。つまり正社員はより専門性と会社への収益性を求められます。
一部では「派遣社員が正社員のポジションを奪う」という表現もありますが、どこの観点からの意見であるかを考慮しなければいけません。正社員の立場であれば「奪われた」になり、派遣社員の立場になれば「奪った」になるかもしれません。一方企業からの視点は「コスト管理」となるかもしれません。
時代とともに動き出す時
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派遣法反対デモに参加し意見を主張することもできます。うまく制度を利用して未経験から経験を積む事もできるかもしれません。正社員の方は自発的に専門性を追求するようなるかもしれませんし、企業もそういった教育制度を設けるかもしれません。時代や国の政策によって物事は良いか悪いかは別としてどうしても動いていきます。変化の激しい時代を生き抜く力は必要ですし、またそれをするためには「何か」を持っていなければなりません。時代を生き抜く力を身につける為にも今からでも遅くないので、今から動き出しましょう。