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シドニー留学コラムSydney Column

オーストラリア留学で英語はなまる?【シドニー留学経験者の声】


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シドニーの生活 2020.01.26

留学先として日本人のみならず世界中の学生から人気な国・オーストラリア。そんなオーストラリアに関して検索してみると、日本のみなさんはオーストラリア英語の「なまり」を気にされているようです。「オーストラリア英語はなまっているから、きれいな英語を勉強したいならアメリカかイギリスに行ったほうがいい。
果たしてそれは本当でしょうか?そもそも、“きれいな”英語を勉強することのメリットとはなんでしょうか?

こちらのコラムでは、オーストラリアのシドニーに2年間滞在し、語学留学とワーキングホリデーを経験した筆者が、オーストラリア英語の実情をご紹介します!

1.オーストラリア英語の特徴とは

オーストラリアイメージ


オーストラリアはもともとイギリスからの移民の国ということで、使われている英語もイギリス寄りと言われています。しかし、単語に関してはアメリカ英語の影響を半分ほど受けていたり、オーストラリア独自のスラングが存在したりなど、単純にイギリス英語寄りとは言えません。

オーストラリア英語の特徴とは
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オーストラリアはもともとイギリスからの移民の国ということで、使われている英語もイギリス寄りと言われています。しかし、単語に関してはアメリカ英語の影響を半分ほど受けていたり、オーストラリア独自のスラングが存在したりなど、単純にイギリス英語寄りとは言えません。

オーストラリア英語の発音の特徴
オーストラリア英語はイギリス英語やアメリカ英語に比べると、音がつながっていて発音もあまりはっきりしていないという特徴があります。私個人の感覚としては、イギリス英語は少々強い感じで「タッタッタ」と発音しますが、オーストラリア英語は「ダ~ダ~ダ~」と発音するように聞こえます。また、dayを「デイ」ではなく「ダイ」と発音するなどの特徴もあります。Good day, mate!は「グッディ、メイッ!」ではなく「グダィマイッ!」のような音になります。「a」をそのまま「あ」の音で発音する単語が多いように感じます。

オーストラリア英語の単語の特徴
単語はイギリス英語とアメリカ英語の影響を半分ずつ受け継いでいる感じですが、オーストラリア特有の言い方をすることもあります。

・携帯電話 豪:Mobile phone 英:Mobile phone 米:Cellphone
・1階 豪:Ground floor 英:Ground floor 米:First floor
・サッカー 豪:Soccer 英:Football 米:Soccer
・ズッキーニ 豪:Zucchini 英:Courgette 米:Zucchini
・歩道 豪:Footpath 英Ppavement 米:Sidewalk

一方で、表記に関してはイギリス英語の影響が強いです。
・「er」の逆転 例:Center → Centre
・「z」が「s」になる 例:Realize → Realise
・「or」が「our」になる 例Favorite → Favourite

このように、単語に関してはイギリス英語・アメリカ英語の影響を両方受けているオーストラリア英語ですが、どちらを使っても問題なく通じます。ただし、やはりお国の言葉を正しく使われるのは嬉しいのでしょうか、オーストラリアで一般的なスペルや単語の方を使うと喜ばれることが多いです。

オーストラリア英語のスラング
名詞は語尾が「ie」の音で終わるものが多いのが、オージーイングリッシュの特徴です。何を隠そう、「Aussie」もスラングです。他には以下のような単語があります。

・バーベキュー:BBQ → Barbie(バービー)
・朝ごはん:Breakfast → Breakki(ブレッキー)
・ニュージーランド人:Newzealander → KIWI(キゥイ)
・お茶:A cup of tea →Cuppa(カッパ)

フレーズについては有名なG’dayの他にも以下のようなものがあります。
・I’m sorry. / You’re welcome. → No, worries.(ノー・ウォーリーズ)
 ※No Worries.はオーストラリア以外でも耳にするフレーズです
・Thank you. → Ta.(タ!)

このように、オージースラングにはもともとの単語や言い回しよりも省略されて短いものが多いです。一度オーストラリア人の知人に、なぜこのような言葉が多いのかと聞いたいことがあるのですが、彼は「うーん、長いと面倒だからかなぁ」と言っていました。さすが、のんびり屋さんのオージーですね。

2.レア度高し・オージーイングリッシュ

英語イメージ


さて、オーストラリア英語の特徴についてご紹介してきましたが、実際にオーストラリアで生活していてこのような英語に触れる機会はどれくらいあるのでしょうか。ずばり、一般的な語学留学をする方についていえば「ほとんどない」というのが現状と言えます(もちろん、滞在先や通う学校によって違いはありますが……)。
まず、日本人が留学先としてよく訪れる都市には移民の方が多いです。例えば、最大の都市・シドニーのあるニューサウスウェールズ州では、オーストラリア出身の方は7割ですが、両親がオーストラリア人の方は5割となっています。また、家の中の言語が英語以外の家庭は2割です(※1)。移民大国という割には意外と少ないじゃないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、例えば学校の1クラス30人中15人はハーフ、または両親が海外出身で、6人は家で日本語を使っていないと考えると、非常に多くの移民の方がいることがわかります。つまり、いろいろな国のアクセントのある英語があふれているのです。
また、普通の留学生活を送っている場合、オージーと話す機会は非常に少ないです。学校の友達は海外出身が多いですし、先生も多くの方がオーストラリア国外のバックグラウンドをお持ちです。ホームステイをする場合はオージーの家庭にお世話になるかもしれませんが、学校の寮やシェアハウスに滞在すると、やはり周りはオーストラリア国外出身の方が多くなります。アルバイト先も、レストランなど留学生が多く働く場所は移民の方が多いです。実際に私の場合は、語学学校の友人、シェアメイト、シェアハウスのオーナー、図書館の英語クラスで知り合った人々、アルバイト先の同僚はオーストラリア国外出身でした。一方で、オージーは語学学校の先生の一部と、シェアメイトの知人の一部だけでした。
では、オージーイングリッシュにはどこで出会えるのでしょうか。例えば、ホバートやダーウィンといった、あまり留学先としては有名ではない地域にはオーストラリア英語を話す方が多いです。また、お年寄りの方にも強いオージーなまりの英語を話される方が多いようですが、留学生が日常生活でじっくりお話しできる機会というのはあまりないと思われます。

3.きれいな英語には慣れるな! なまり英語に触れるメリット

グッドサインを出す人


このように、オーストラリアでの留学生活では、オーストラリア以外のなまりの英語に触れる機会が圧倒的に多いです。しかしながら、これは英語を勉強するうえで非常に理想的な環境と言えます。なぜなら、英語を話す人の多くは英語が第一言語ではないからです。
現在、世界で英語を勉強している方は全人口の約1/3と言われています(※2)。そして、そのうちの多くが私たち日本人のように、自分の第一言語のなまりがある英語を話しています。あまりひとつの英語を聞きなれてしまうと、他のなまりのある英語を聞き取ることは難しいです。そのため、日ごろからさまざまな国のなまりのある英語を聞いておくと、英語のリスニング力は飛躍的に向上します。私がこのことを痛感したのは、シェアメイトとの会話でした。私のシェアメイトの一人は西アジア出身で、強いなまりのある英語を話す方でした。そのため、ぼそっとなにかを話されたときに聞き取るのはなかなか難しく、聞き返すことが度々ありました。しかし、もう一人のシェアメイトでイギリス留学歴の長い知人が聞き取れなかったつぶやきを、私は聞き取れることが多かったので、さまざまな英語に慣れておくことは非常に大切なのだと感じました。

4.実際に英語はなまってしまうのか

疑問イメージ


以上、オーストラリアではオーストラリア英語に関わらず、さまざまな国のなまりがある英語に触れる機会が多くなるわけですが、このような環境にいるとなまりが移ってしまうというのは本当でしょうか? 経験から申しますと、短期の留学においてはなまりが移ることを気にする必要はないと思います。
まず、なまりについてですが、留学を始めた当初になまりを聞きわけるのは難しいです。ネイティブな方とそれ以外の方を聞きわけることはできると思いますが、アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語といった、英語が第一言語の方のアクセントを聞きわけるにはそれなりのリスニング力が必要です。当初は「なんだか音やリズムが違うかな」くらいしか聞き取れなかったものが、リスニングを繰り返すことで徐々に違いを明確に聞きわけられるようになります。
では、アクセントの違いを聞きわけられるようになった時点で発音に影響は出るでしょうか。これに関しても、即なまりがうつってしまうということはないと思います。むしろ、日本語なまりを抜け出すことが大変です。きれいな発音ができるようになるにはそれなりの時間と努力と日常的な意識が必要です、そのため、多少影響されることはあっても、なまりの英語に浸っているからといってご自身の発音に大きな影響を及ぼすかと言われると、そのようなことはないと思います。

ちなみに、万が一オーストラリアなまりの発音が強くなってしまったりオーストラリア英語の表現が染みついてしまったりしたとしても、それはむしろ喜ぶべき成果です! 経験上、オーストラリア英語は好かれることが多いと感じています。この間も「Thank you.」
に対して「No worries!」で返した際、「いい英語を話すね」と声をかけられました。オーストラリアは他国への印象がよく、オージーのフレンドリーな人柄も多くの人に好かれています。その影響が、オージーイングリッシュを話す私たちにポジティブな印象を与えてくれているのかもしれません。


5.まとめ

オーストラリアイメージ


いかがでしたでしょうか。以上、オーストラリア留学と英語のなまりについて、経験談を交えてご紹介しました。

先に述べたように、短期の語学留学で英語のなまりがすぐに移ってしまうことはまずありません。そもそも、留学中にオーストラリア英語に触れられる機会が希少です。また、アクセントの強い英語で溢れている環境で勉強することは、デメリットではなく英語上達のためのメリットになります。さらに、オーストラリア英語は好かれる傾向にあるという利点もあります。つまり、オーストラリアは語学留学をするには絶好の環境なのです。英語を勉強したいけど、どの国へ行こうか迷っているという方は、ぜひオーストラリアについて調べてみてください!

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