諸外国の新卒(新規学卒)者についてNew graduates recruitment
ここでは日本以外の諸外国の新規学卒者の入社までの状況を説明します。日本独自の一括採用とはどのように違うのでしょうか?さらにはどのようなプロセスで、どういった学生たちが、また企業側はどういった人材を採用するのでしょうか?
採用・プロセス・求められる人物
通年採用
卒業の時期も異なり、ギャップイヤー等で卒業と同時に就職しない方も多くいます。その為、日本のように時期に合わせて一括で採用するということは非効率であると考えられています。インターンシップ
長期のインターンシップが主流で会社の事業内容を知るというよりもインターンシップでの業務を通じて自分のスキルアップを図ることを目的に参加する人が多いです。またインターンシップが採用に直結する事も多いです。夏休み、また大学卒業後もインターンシップやボランティア活動、自分探しの旅、などをする人も多く、卒業後すぐ正社員として働く人は稀です。ポテンシャルよりも即戦力
「伸びる見込みあり」の日本的な採用ではなく即戦力を求めており、また人事部主導で採用するのではなく、事業部や専門職ごとに採用する場合が多いです。諸外国における新規学卒者就職事情
オーストラリア・イギリス
企業側の採用にあたっては就業経験の有無が重視されるため、学生が在学中に何らかの就業経験(インターンシップ)をするのが一般的ですが、Grad Program(グラッドプログラム)という新卒対象の採用選考プログラムを設けている企業もあります。しかしGrad Programを設けている会社は大手企業を始め300社程度といわれており、日本の採用選考以上の激戦を勝ち抜く必要があります。
Grad Programは卒業後3年程度までは採用対象となりますが、一定の上位成績を残していない方は採用外となるため、学生は在学中に成績を上げることに注力しなければなりません。大半の企業がエントリー期間を3月-4月中に設けており、同年の8月もしくは翌年の初め入社となります。このプログラムで採用された場合、数年間の教育・訓練プログラムが用意されており、この間複数の仕事をローテーションで経験することになります。
一方、インターンシップについては大半が夏季休暇(11月-2月)にあわせた約3ヶ月間のプログラムとなります。大手企業のインターンシップも大学での成績等が加味されGrad Program同様に難関ですが、インターン先から卒業後のポジションのオファーが来る事が多いです。募集対象学年は企業により様々ですが、応募の大半は6-8月の間に締め切られます。
Grad Program、インターンシップそれぞれに共通することは、大学での成績が重要である為、在学中は勉強を継続しなければなりません。その為在学中に就職活動を行なう学生は試験の最終成績が出るまで就職活動をしないという学生が約半分程度もいます。また大学によっては3年間の標準通学期間に1年のインターンシップを組み込んだ4年コースを設ける大学もあります。
学生の就職活動の手段は多い順に【求人票、求人情報誌、求人広告への応募】、【企業に直接接触(リクルーター、OB/OGなど)】【大学のキャリアセンター】【人材エージェントの利用】です。
またオーストラリアでは日本の就職活動と顕著に異なっているポイントがあります。それは口コミです。オーストラリアは求人の60%以上が口コミや知り合いの伝手によって知るものになっており表には出てきません。この口コミや知り合いの伝手などのコネクションで就職が決まることも多く、大学のキャリアセンターや企業セミナー、インターンシップなどを通じてネットワーク・コネクションを広げる必要があります。
アメリカ・カナダ
将来のキャリアデザインに熱心な人は大学・大学院に在学中から学内で開催されるキャリア・デベロップメント・セミナーなどに積極的に参加しジョブインタビュー(面接)を行います。これは転職を繰り返しながらキャリアアップをすることが一般化している為で、十分な学位を得た暁には一年でも早く職業訓練を受けて職歴を身に付け、将来の転職を有利にするための一つの方法です。就職活動で必要となるのは学歴・専攻・職歴・大学の成績の4つで、全学部全学科を採用対象とする日本企業が多いのに対して、特化された知識・技術が好まれる傾向が強いです。日本と違うのは大学の成績が重要であり、GPAで脚切りする企業が多く、エリート職だとGPA3.5以上、普通の職でも3.0以上要求されるのが一般的です。職歴を持たない学生はインターンシップを行いそれを職歴の代わりにレジュメに記載します。その為インターンシップ制度が非常に盛んで多くの学生・大学・企業が参加しています。学歴・専攻・職歴・大学の成績が優れており人間性も問題ないとなれば万人に雇用のチャンスが設けられていますが、インターンシップを在学中に受けてないと、一流大学で成績が良くても書類選考さえ通らない事も多く、インターンシップが就職に必要不可欠になっています。
採用時期は企業にもよりますが一年を通して不定期で行っている場合がほとんどで、ポジションに空きが出たり好景気によりさらなる雇用が必要な場合は随時募集が行われます。しかしその反面、基本的に終身雇用システムはないため、一旦就職しても不適当な人材と判断されれば解雇告知がなされ、すぐに解雇されて新たな募集がかけられることが一般的です。このような社会・雇用システムの為、労働力の流動性が非常に激しいです。
ドイツ
ドイツの学生は卒業後に就職活動を開始するのが一般的です。大学の教育の一部に、企業での実務実習が組み込まれている事も多いです。しかし新卒者用の求人は特に無い為、新卒者の多くは最初の1-2年間は期限付きの雇用契約しか結べないことが多いです。【フランス】
スタージュと呼ばれるインターンシップ制度が充実しており、これにより職務経験を得て就職することが一般的です。インターンシップ後、正式採用されることもありますが、期限付きの雇用契約しか結べないことが多いです。参考文献・出典:
独立行政法人 労働政策研究・研修機構
(http://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2006_12/england.htm)
ヒューマン国際大学機構
(http://hiuc.athuman.com/partners/australia/)
新卒一括採用-Wikipedia
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%8D%92%E4%B8%80%E6%8B%AC%E6%8E%A1%E7%94%A8)
死語になる?日本独自の『新卒一括採用』は今後どうなっていくのか(http://matome.naver.jp/odai/2138624407212501701)
独立行政法人 労働政策研究・研修機構
(http://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2006_12/england.htm)
ヒューマン国際大学機構
(http://hiuc.athuman.com/partners/australia/)
新卒一括採用-Wikipedia
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%8D%92%E4%B8%80%E6%8B%AC%E6%8E%A1%E7%94%A8)
死語になる?日本独自の『新卒一括採用』は今後どうなっていくのか(http://matome.naver.jp/odai/2138624407212501701)